定住者ビザとは(正式には在留資格「定住者」といいます)、法務大臣が個々の外国人について例外的にて居住を認める在留資格で、人道上の理由その他特別な理由があることが必要とされるものです。
就労に関する制限がなく、日本人と同等の仕事ができるため、外国人労働者を最採用する企業にとってもこの制度は大変ありがたいものです。
この記事では定住者ビザの申請に必要な書類や手続きの流れ、メリット・デメリット、注意点などについて解説します。
定住者ビザとは
法務省の告示で定められる代表的な定住者は次のとおりです。
・難民に関係するケース
・日系人に関係するケース
・定住者の配偶者
・実の子で、日本人、永住者、特別永住者、定住者から扶養されている未成年かつ未婚者
その他のケースでも人道上の理由から、定住ビザが認められることもあります。
しかし、その場合には申請人が日本で生活していく必要性があることを立証する必要があります。
日本人配偶者などで在留資格のある人が離婚したが帰国せず、これまでの生活をしてきた日本の定住ビザを取得したいという理由で申請するケースが最も多いようです。
定住者ビザに類似する制度として「永住者ビザ」があります。
永住者とは外国人が希望して申請をおこない、法務大臣に認められた在留資格です。
一方、定住者ビザは生活上日本にいなければならない理由等を考慮し、法務大臣が一定の在留期間を指定して居住を認めるものなのです。
定住者ビザに必要な書類
ここでは特に、離婚・死別等により配偶者の資格から変更する者の、認定の申請に必要な書類について説明します。
市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの
1 | 配偶者の戸籍謄本 | 発行日から3カ月以内のもの |
2 | 住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書 | 1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの/発行日から3カ月以内のもの |
3 | 住民票(世帯全員の記載があるもの) | 発行日から3カ月以内のもの |
なお、上記1~3の書類は1月1日現在居住地の市区町村の区役所、市役所、役場や地方入国管理官署で発行されます。
また、2の書類は1年間の総所得及び納税状況の両方が記載されている証明書であればその証明書1通でもかまいません。
職業・収入を証明するもの
1 | 在職証明書 | 申請者が会社に勤務している場合 |
2 | 確定申告書の控えの写し | 申請者が自営業等の場合 |
3 | 営業許可書の写し | ある場合/自営業の場合は自ら職業等について立証する |
4 | 預貯金通帳の写し | 無職である場合 |
身元保証に関するもの
1 | 身元保証書 | 押印もしくは署名したもの |
なお、身元保証人は、日本人か在留資格のある外国人に限ります。
その他
1 | 理由書 | 日本に残留する必要性等など/適宜の様式 |
2 | 子のパスポート 原本 | 子が外国籍の場合 |
3 | 子の在留カード 原本 | 子が外国籍の場合 |
4 | 親権者の記載のある身分関係書類 | |
5 | 申請人本人(外国人)の顔写真 | 縦4cm x 横3cm/申請前3カ月以内に撮影されたもの |
6 | 在留資格認定証明書 交付申請書 |
定住者ビザの申請の流れ
入国管理局への申請の流れは以下の通りです。
1.申請書類の作成、その他必要書類を用意する
2.入国管理局に申請書類を提出する。
3.結果の通知 申請時に入国管理局に渡した封筒、もしくははがきで、結果の通知が届く。
4.入国管理局へ行って手続きをおこなう。
定住者ビザのメリット
・日本人の配偶者等と比較した場合、夫と死別や離婚の事態が生じても安定した在留が可能。
・就労に関する制約がなく、日本人同様にどんな仕事でもできる。
定住者ビザのデメリット
・在留期間が5年、3年、6カ月のいずれかに制限される。
・資格取得後の更新が必要。
定住者ビザの注意点
書類準備段階と申請後でそれぞれの注意点は以下のとおりです。
書類準備段階
・申請は、結果が出るまで時間がかかるため、早々に申請する。
・変更事由が生じたら在留期間が後1年でもすぐに該当の在留資格に変更する必要がある。
・定住者ビザを取得できる条件に該当するかどうかを事前に確認しておく。
・日本人の夫や妻と離婚や死別して、引き続き日本で暮らす場合は定住者ビザに変更しなければならない。
・申請が不許可になると次回の申請ではより注意深く審査されるため、行政書士などの専門家に相談する方がよい。
申請後
・申請した内容から実態が変わったときは入国管理局へ申し出る。
・追加書類を郵送するときは、申請の「受付年月日や受付番号」を記載する
・在留資格認定証明書の交付を受けても入国できない場合もある。
・在留資格認定証明書により本国の日本大使館や領事館でビザの発給を受ける必要がある。
・在留資格認定証明書は法務省管轄、本国の日本大使館や領事館は外務省管轄となる。
・在留資格認定証明書の交付後3カ月以内に日本に入国する必要がある。
・ビザの更新は在留期限の3カ月前から申請ができる。
司法書士・行政書士友綱事務所では定住者ビザに関するお手続きのサポートをさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
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